黒澤明監督の特集上映をしていると知り、場所を
調べてみたら、Harvard squareの路地裏でほんのりと
よい雰囲気を醸し出している、Brattle Theatreという
名画座だったのです。お散歩にも家からちょうどよい
距離で、4月に入った頃の夜に出かけてきました。
この夜上映していたのは、1970年の『どですかでん』。
黒澤監督の初のカラー映画、初の武満徹の音楽担当、と
注目すべきところがたくさんあったのですが、あまりに
鮮やかに現実的で、逆に1枚の幻想画のように見えてくる
不可思議な世界と、独特の色づかい、音づかいに
「どですかでん・・」と連れ去られてしまいました。
こうした映画がまた、壁の古ぼけた時計や、味のある
空間にあっていて、名画座もやっぱり素敵だなと
しみじみします。
帰り道は、今年も桜を小さくしたような花がちらほら
咲いていて、夜桜のような眺めでした
夕暮れ時に通り抜けたBoston Commonも、だんだん
春が近づいていました。リスも小鳥たちも元気そう。
いつも驚くほど当たるこちらの天気予報によれば、
今夜から数日雨が続くので、皆お待ちかねのお花見
日和はまた先になりそうです。