先週は2度、クリスマスで賑わうニューヨークへ
行ってきました。予定通り開催されますようにと
春から願っていた小澤征爾さん指揮、サイトウ・
キネン・オーケストラの演奏会があったのです。
3日間の公演のうち、私が聴かせて頂いたのは
1日目と3日目。1日目の前半、権代敦彦先生の
新たな大作『デカセクシス』と内田光子さんソロの
ベートーベンのピアノ協奏曲は下野竜也さんが
指揮をされ、後半のブラームス交響曲第1番と、
3日目のブリテンの戦争レクイエム全曲、
小澤征爾さんが指揮されました。
本当にとても言葉にならない、この世のものと
信じられないような演奏でした。上の階の席だった
ので音が下から聞こえてくるはずなのに、音が天から
降り注いでくるのです。ご病気から復活され、命を
かけ全身全霊で指揮をされる小澤征爾さんと、その
一瞬ごとの音楽に魂のすべてを重ねあわせる100名を
越えるオーケストラの方々・・その光景を焼き付けたいと
目を凝らすほど、涙があとからあとから溢れ、演奏が
終わっても体の震えが止まりませんでした。
戦争レクイエムは、初演の舞台であり第2次世界大戦の
空爆で廃墟となった大聖堂と、隣に新たに建てられた
大聖堂をイギリス郊外に訪ねた思い出深い作品で、
10年前のその日、大聖堂を包んでいた遥かな青空と、
小澤さんの神々しい後ろ姿がひとつに重なりました。
この作品が、日本のオーケストラと合唱、そして
アメリカとドイツのソリストの方たちによって、
小澤征爾さんのもとアメリカで演奏され、様々な
国の方たちで満席となった客席からは喝采と拍手が
いつまでも鳴り止まず・・奇跡のような演奏と
公演でした。
公演の前1週間ほど、オーケストラはボストンで
リハーサルをされていたのです。オーケストラに
参加されていた高校からの友人、先輩、先生方に
思いがけずお会いでき、ニューヨーク近くに住む
同級生とも再会できて、嬉しい数日間でした。
ニューヨークではこの冬一番の寒さの中、エンパイア
ステートビルの最上階から夜景を見渡し、戻ってきた
ボストンも今、去年よりずいぶん遅れての初雪です
もうあと3日でクリスマス!どうぞ暖かくなさって、
ステキな季節をお過ごしください♪
メリークリスマス