先週は、ボストン激動の1週間でした。
歴史あるボストン・マラソンを襲った爆弾テロ。そして
4日後に繰り広げられた逃走劇・・銃撃も、犯人の自宅や
学校も、家から歩いてすぐのお散歩コースで、ニュースに
映るあまりに見慣れた景色を見ながら言葉を失いました。
木漏れ日が眩しくなりつつある平和な街に、外出禁止、
ドアを開けることも禁止との通告が出て、街中があっと
いう間にロックダウン。もちろん会社も休みになった
夫と3人、家で過ごした長い、長い1日― 上空を飛び交う
ヘリコプターや、空っぽになった街を猛スピードで通り
抜けていくパトカーのサイレンを指差す息子の姿を見な
がら、様々な想いが交錯しました。
恐ろしいテロを起こし、命がけで追跡する捜査官の方達と
アメリカという大国とに追い詰められる19歳の犯人は何を
思いながら逃走していたのでしょうか・・ 致命傷を負い
民家のボートに身を潜めながら、のどかな鳥のさえずりを
どんな気持ちで聞いていたのでしょうか・・兄弟がこの
ケンブリッジの街で暮らした数年間、2人の心を変えて
しまったものは何だったのでしょうか・・逃走までの間
に、ボストン・マラソンであまりにも悲しい傷を負った
方達の報道を見たのでしょうか・・
「おそらく私の一生はヒロシマとナガサキを書き終えた
時に終わるだろう」とおっしゃっていた井上ひさしさん
が最後の戯曲の、最後の場面に書かれた台詞、「復讐の
連鎖を断ち切ること」― 拝見したニューヨークの街で
911を想いながら胸に突き刺さったその言葉が、ボストン
でも今また、痛いほどに深く響き渡ります。
その日の夜中、事件を浄化するかのような大雨が突然
降り、夜が明けてまた穏やかな朝がやってきました。
家から出られずに元気がたまっていた息子も、また
公園でのんびりと遊べています。
世界中の子供たちが、空気や、食べ物や、爆発の心配
をすることなく、仲良く手を取り合って遊べる世界を
どうか創っていくことができますように・・
そして、全ての方に平安がともにありますように。
長々と独り言のようなブログをお読み下さり、そして
遠くボストンへ、あたたかいご心配と想いとをお寄せ
下さって、本当に、本当にありがとうございました。
今日はこちらも暖かくなりそうです。もうすぐ5月!