MAI FUKASAWA Website | Blog

春

こちらもやっと春らしい春になりました。
春の語源は「(蕾や芽が)張る」や「晴る」だと
教えてもらったところだったのですが、まさに
そんなお天気の休日
日も傾きかけていたので、急いでおにぎりを
紙皿に並べて、冷たいお茶とシートも持って、
チャールズ川まで行ってきました。
外で食べると何でもぐんとおいしく感じるのは、
自然の魔法だとしみじみ実感します
でも、そこで本を読むにはまだ肌寒く、間もなく
室内に移動。新学期の季節で、どこも賑やかです。


数日前に、アメリカらしい突然の雷と大雨が通り
過ぎていったのですが、雨で白く霞んだ外の景色を
見ながらふと思い立って辞書を見たら、雷はもともと
「神鳴」とのこと。昔の人が、確かにこれは天からの
音と思うに違いない、久しぶりの大きな稲妻でした。
そういえば春と秋がほとんどないボストン。このまま
あっという間に夏までやって来そうです。





街中の道も、ぐんぐん緑が育ってきました！
今週も、どうぞよい1週間を

チェシャ猫

が笑っているような三日月が出ていました
遠いし暗いしで、どうしてもピントが合わず残念・・





先日こちらでも公開になった『Alice in Wonderland』、
どのキャラクターも魅力的だったのですが、特に印象的
だったのがヘレナ・ボナム＝カーター演じる赤の女王や
双子の兄弟、そしてチェシャ猫！毛並みの質感や表情、
消え方現れ方がすばらしくて、ティム・バートンの世界
への重要な案内人でした。家にも１匹いてほしい！





ヘレナ・ボナム＝カーターとジョニー・デップの別の
顔合わせも見たくて(『チャーリーとチョコレート
工場』でも共演しているのですが、ぼんやりとしか
思い出せないのです・・)、同じくティム・バートンの
『スウィーニー・トッド』を見たのですが、自分の声にも
自分で震え上がり・・ 映画館でなくてよかった・・
こうした種類の怖さとブラックさは、アメリカでは
なかなか生まれにくいような気がします。
歌い手すぎない絶妙なミュージカル度合いや色調、
ソンドハイムの音楽も面白かった！日本でも数年前、
ミュージカルとして上演されたそうで、こちらも
迫力がありそうです。


チェシャ猫たち、ぜひご覧になってみてください♪


Alice in Wonderland - New Official Full Trailer (HQ)

名画座

黒澤明監督の特集上映をしていると知り、場所を
調べてみたら、Harvard squareの路地裏でほんのりと
よい雰囲気を醸し出している、Brattle Theatreという
名画座だったのです。お散歩にも家からちょうどよい
距離で、4月に入った頃の夜に出かけてきました。
この夜上映していたのは、1970年の『どですかでん』。
黒澤監督の初のカラー映画、初の武満徹の音楽担当、と
注目すべきところがたくさんあったのですが、あまりに
鮮やかに現実的で、逆に1枚の幻想画のように見えてくる
不可思議な世界と、独特の色づかい、音づかいに
「どですかでん・・」と連れ去られてしまいました。
こうした映画がまた、壁の古ぼけた時計や、味のある
空間にあっていて、名画座もやっぱり素敵だなと
しみじみします。


帰り道は、今年も桜を小さくしたような花がちらほら
咲いていて、夜桜のような眺めでした





夕暮れ時に通り抜けたBoston Commonも、だんだん
春が近づいていました。リスも小鳥たちも元気そう。
いつも驚くほど当たるこちらの天気予報によれば、
今夜から数日雨が続くので、皆お待ちかねのお花見
日和はまた先になりそうです。

井上ひさしさん

1997年、初めて『紙屋町さくらホテル』の舞台に
参加させて頂いたのは、もう13年も前のことです。
そして、再演があり、再々演と旅公演がありました。
すべてが未知だった演劇の世界で与えていただいた
さまざまな体験と出逢い、そして「お芝居の毒」・・
それは、命がけで生み出され、珠玉のことばに
満ちた「宝石のような」世界そのものでした。
これからも、いつまでもそれは煌めきつづけ、
道しるべを与えてくださいます。

美しい鎌倉の桜の中、旅立たれた先生。

ありがとうございました。
どうか、安らかにお眠りください。